Q23

痩せ過ぎの原因は何ですか?


     A

現代の日本人ような食生活を送っている以上、よほどのことがない限り、自然に痩せてくる可能性はありません。
それほど私たちは恵まれた食生活を送っているのです。
痩せ過ぎで悩んでいる人は原因究明に努力しなければなりません。
先ほど述べた健康維持システムは、肥り過ぎの場合よりも飢餓に対して有効に働きます。人類史上、「肥り過ぎに苦しむ」など言うことはつい最近起こった現象で、それまでの長い期間人類は度重なる飢餓に悩まされていたのですから当たり前のことです。
健康維持システムは、飢餓に対してさまざまな酵素によって対抗します。
食料が少なければ少ないほど、効率良くエネルギーにしようと努力します。
人間が生命維持のために必要な最低食料は呆れるほど少なくて済むのです。
「 冬山で遭難した人がチョコレート1個で1週間耐えしのいだ」
などと言う話も良く聞きます。
「食料がなかったので、革のベルトを少しずつかじって飢えをしのいだ」
と言うような話も聞きます。
飢餓状態にある人にとって、例えわずかな食料であっても、身体はこれでもかこれでもかと貪欲にカロリーを作り出そうとします。
この機能は当然のことながら健康な人には誰でもそなえているものです。
体重が減る現象は、「カロリーが減ったからその分体重が減った」
などと言う単純なものではありません。健康維持システムの機能が関係していて、一般に思われている以上に複雑なのです。
普通の食事をしていて痩せてしまう人は健康維持システムに重大なトラブルが発生したと考えなければなりません。

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