Q53

環境汚染に対する政府の無神経さは犯罪的ですが、それを支える国民の認識はどの程度なのでしょうか?

     A

国民の無知ぶりも悲惨の限りです。
その一例がダイオキシン汚染です。
ダイオキシンは人類が作り出した最悪の猛毒と言われ、ベトナム戦争ではゲリラ虐殺用に「枯れ葉剤」と言う名目でベトナムの森林に広範囲に散布されました。
この毒ガスを浴びたベトナム人は現在に及ぶまでこのガスの後遺症に悩まされています。残留性が極めて高いからです。
このような話をしても、「だからどうした?」とお思いの人も多いことでしょうが、現在の日本のダイオキシン汚染量はベトナムの二倍もあるのです。
日本は世界で最もダイオキシン汚染がひどい地域なのです。
言い替えれば、ベトナム戦争で使用された毒ガスの二倍の量が日本中にばらまかれているのです。
ダイオキシンをネズミに与える実験では確実に催奇性・発癌性があることが確認されています。
このようになってしまった最大の原因は利益を上げることしか念頭にない企業と、それにべったり癒着している政府の対応にあります。
数百回爆撃されたに等しいダイオキシンはプラスチックを燃焼させることによって発生します。
塩化ビニールのような塩素系プラスチックは特に有害です。
かつて「日本はカネミ油症」「PCB問題」などで深刻なダイオキシン被害を経験しました。
しかし、この経験は全く生かされてはいません。
日本では焼却によって可燃物ゴミの処理を行っていますが、その際プラスチックも可燃物と見なされ一緒に焼却されています。
プラスチックを分別して焼却しないように努力している自治体もありますが、経費がかかるので徹底しては行えないようです。
政府が国民に正確な情報を与えないので、プラスチックは家庭や工場などで無頓着に燃やされています。
中には焼却するとゴミの絶対量が減るので、家庭で燃やすように奨励している愚かな自治体も最近までありました。
ダイオキシンはプラスチックを燃焼することによって確実に日本全国に汚染され続けています。

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