Q54

ダイオキシンが猛毒であることは解りましたが、それと喫煙と関係あるのですか?

     A

ダイオキシンの毒性は煙草に含まれるベンツピレンなど全く問題にしないほど強力なものですが、煙草でもシガレットの場合フィルター付きのものが大部分です。有害な成分を除去するためにフィルターは必要なようにも思われますが、フィルターの材質がプラスチックである以上ダイオキシンの発生を防ぐことはできません。
タールを除去してダイオキシンを吸い込んだのでは何のためのフィルターだか解らなくなります。
ただし、現在のところフィルターからダイオキシンが検出された報告はありませんが、喫煙者の内で、パイプ常用者・葉巻常用者・シガレット常用者を比較した場合、発癌するリスクはシガレット常用者が圧倒的に多いと言う報告があります。
理由として、シガレット常用者は他の常用者よりも肺まで吸引する比率が高いためと説明していますが、根拠としては乏しいようです。
シガレットの材質に問題があると考えたほうが妥当です。
煙草の葉自体にすでにダイオキシンが付着している可能性も否定できません。
ダイオキシンは少し前まで農薬成分として公然と使用されていたからです。
また、現在使用されている農薬でも化学変化によってダイオキシンが発生してしまうリスクを避けることはできません。
煙草は葉が商品なので、農家は他の作物よりも農薬を使用する頻度が高いようです。
葉が虫に喰われては商品にならないからです。
したがって、ダイオキシン以外の残留農薬も心配しなければなりません。
高温の煙にさらされるフィルターからダイオキシンが発生する可能性は否定できませんし、直接燃焼している紙から有害成分が発生するリスクも避けることはできません。
曲がりなりにも大企業が商品として販売しているのですから、安全基準はクリアしているのだろうと思いたいのですが、ダイオキシンは極めて安定した物質で、一度生体に取り込まれると分解は期待できませんし、排出も困難です。
ニコチンのように代謝できるようなものばかりならば良いのですが、有害成分の大部分は残留性が極めた高いのです。
仮に、シガレット一本中の有害成分が安全基準の100分の1だとしても、一日20本喫煙する人は一月で安全基準の6倍の有害成分を体内に残留させたことになります。

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