Q60

安全な食物にこだわる必要があるのですか?

     A

現在のような食物環境の中で比較的安全な食物を手に入れるためにはそれなりの苦労を覚悟しなければなりません。
世に出回っている健康本の多くは、「この食物が身体のどこそこに効く」形式で書かれていますが、身体のどこに効くとか、カロリー・栄養以前の問題として、その食物が安全なものかどうかを検討しなければなりません。
一例を挙げると、紫蘇は成分中にミネラルを多く含みさまざまな薬効のある野菜と言うことになっていますが、自宅で摘んだ紫蘇ならともかく、店屋で買った紫蘇には警戒しなければなりません。
煙草の葉同様、紫蘇のような葉ものは虫喰いの穴が空いたりしていると商品価値がなくなります。
そこで農家は防虫剤を紫蘇の葉の表面に散布することになります。
それでも家庭で食べる場合には、水でさらして、表面にくっついた農薬を洗い流すことはできますが、刺身のツマや寿司ネタなどに使用されている紫蘇はそのままの状態で調理されています。
水で洗うとぱりっとした感じがしなくなり見栄えが悪いからです。
現在の私たちの食生活はつまらない見栄えにこだわって、寿命を縮めるような愚かな選択をいろいろなところでやらかしています。
少しでも虫の喰った痕のある葉もの野菜や曲がった胡瓜・形のゆがんだ大根など栄養面では何の違いのない野菜が、見栄えが悪いと言う理由だけで商品価値を失ってしまいます。一方、栄養価値がほとんどなく農薬の残留量も多いハウスものの野菜が店頭をにぎわしています。
現代の農業は軽薄な消費者にすり寄って、変に甘味だけ濃くて栄養価の低い野菜の新種をこぞって開発しています。
「健康のために野菜を食べよう」などと調子の好い宣伝がされていますが、基本的な野菜に対する知識なしに、やみくもに野菜サラダなどを食べ続けていると、健康どころか病気の原因になってしまいます。
「安全な食物を食べる」これが何にもまして大切な健康法であり、また禁煙法でもあるのです。

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