Q67

魚介類ならば安全なのではありませんか?

     A

獣肉製品に較べて魚肉は健康そうなイメージがありますが、こと養殖魚には全く当てはまりません。
ハマチの悪名はさすがに轟いていますが、他の養殖魚も毒性ではハマチと大差ありません。
最近では安全性は二の次3の次として、養殖法だけは進歩して、以前では考えられないような魚が養殖ものだったりします。
魚屋も商売第一ですから、よほど良心的な店でない限り養殖魚の正体を明かしません。
ハマチをイナダとかブリとして平然と売って恥じないような連中もいます。
こんな危険きわまりない魚が流通ベースに乗って公然と売られていることに日本の食品行政の信じがたい劣悪ぶりが現れています。
一部の養殖業者を保護するために日本人全体を皆殺しにするつもりでしょうか?
ハマチは狭いイケスの中で「密飼い」と言う名称の大量飼育をされます。
エサはイワシなども与えられますが、合成飼料も混ぜられます。
熱帯魚とか金魚を飼育された人はご存じと思いますが、魚の病気予防や治療にさまざまな薬剤が売られています。
それと同じものが大量にイケスにぶちこまれます。
密飼いによって魚が弱りやすいので、大量投与する必要があるのです。
イケスは海水と混ざりますから、餌の残りカスとか投与された薬剤、ハマチの汚物などが周辺の海水を汚染していきます
長らくハマチを密飼いしていた海域の海底には厚くヘドロが堆積しています。
そのような環境では酸欠状態と伝染病が発生しやすくなるので、更に高濃度の薬剤を海中に流します。
イケスにはネットが張り巡らされていますが、魚体がネットに当たると傷がついて売りものにならなくなるばかりか、もとから免疫不全状態なのですぐ死んでしまいます。
そこで業者はネットに劇薬に指定されている抗菌薬を塗りたくります。
この抗菌薬は毒性が強いことで知られていますが、傷口から体内に入って、肉質部分を汚染します。
当然のことながらホルモン剤も大量に投与されています。
更に、ハマチは都会に近い近海で養殖されていますから、近海の汚染成分もそのまま体内に取り込みます。
その成分は近くにどのような工場があるかで違ってきます。
汚染成分を調べることによってハマチのお国ぶりが知れるわけですが、ほぼ確実に入っているのがダイオキシンです。
しかも高濃度で残留しているはずです。
すでに述べたように、ダイオキシンは化学的に極めて安定した物質なので、なかなか分解されません。
地上を汚染したダイオキシンはまわり巡って河川から海に流入されます。
それをプランクトンが取り込み、小魚が食べます。
ハマチの餌の小魚にも含まれています。
もちろんイケスの海水自体にもダイオキシンは含まれていますが、餌を通して蓄積されるほうが多いようです。
カネミ油症やPCB事件などでも知れるように、ダイオキシンは油に吸収されやすく、動物の脂肪に溜まりやすい性質があります。
脂肪分の多い魚にはより多く蓄積されてしまうのです。
その他、カドミウム・有機水銀・放射性元素などもこの食物連鎖によって蓄積されていきます。
これがハマチ養殖の実態ですが、鰻の養殖に関してもほぼ同じと考えて良いでしょう。
鯛・ヒラメも養殖法は似ていますが、養殖の歴史がハマチほどではないために近海の汚染度がやや低いことと、白身の魚であることが少しは救いになっています。
このHPでは輸入食物の危険性について述べてきましたが、こと養殖魚については、外国産のほうがはるかに良心的です。
それは日本ほどひどい密飼いをしていないので、近海の汚染が少なく、薬物も小量で済むためです。
餌も天然飼料のコストが安いのでそれを使用することができ、食物連鎖による毒の蓄積も日本ほどひどくはありません。
日本のような汚染された過密な海では養殖は本質的に向いていないのかもしれません。
現状のままでは日本の魚養殖に未来はありません。
安全性を確立できないのならば、良心に従ってただちに廃止すべきです。
外国産の養殖魚としては台湾の鰻が比較的安全です。
味も日本産よりも良く、脂も乗っていて、しかも値段も安いとまさに好いことずくめです。
台湾の鰻養殖はもともと日本の技術指導で行われたのですが、その薬漬けのやり方に疑問を持ち、より安全な養魚法を求めて研究がなされました。
結果として安全な鰻が養殖できるようになったのです。
鯛はオーストラリア産の養殖ものが優れています。
恵まれた環境を生かして広い養殖場で、ほとんど無公害の状態で養殖されています。
味は瀬戸内産の天然ものに較べると大ぶりだと言う意見もありますが、安全性を考えると贅沢な批判かもしれません。

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