Q38

健康維持システムにはどのような機能があるのでしょうか?

     A

風邪の治療などは自己回復力を示す解りやすい例でしょう。
現在のところ風邪に対する特効薬はありません。
医者に行けば、大概の場合、抗生物質と解熱鎮痛剤、それに消炎剤あたりが手渡されます。
更に、咳が出れば喉の神経を麻痺させる薬、お腹が痛ければ胃酸の分泌を抑え胃の神経を麻痺させる薬を渡してくれるでしょう。
この中で、抗生物質は直接風邪のウイルスを殺す力ありません。
風邪によって免疫機能が低下するために、それを補う意味と、溶連菌やインフルエンザ菌など呼吸器に炎症をおこす可能性のある細菌を事前に殺すことが目的です。
インフルエンザの予防接種などは広い意味では風邪に対する薬物による治療法に属しますが、インフルエンザウイルスは個体変化が激しく、毎年予防接種をしなければ効果がないばかりか、せっかく予防接種しても予想したウイルスと違う種類に感染してしまえば全く効果ありません。
天気予報よろしく、今年はどの型が流行するかを予想してワクチンを作るからです。
風邪と言っても、子供や体力の無い人が感染すれば危険な事態になるケースもありますが、体力のある人ならば、3日も寝ていれば治ってしまいます。
医者に行って補助的な薬物をもらえば、症状に苦しむ度合いも減ります。
この風邪を治す力が免疫力です。
「気が滅入っている時は風邪をひきやすいし、ひいてからも治りが遅い。気分の良い時には風邪をひきにくいし、ひいても治りが早い」
風邪をひいた場合、その時の精神状態によって治り方に差があることは、経験的にどなたでも認めるところでしょう。
「気が滅入れば、肉体的にもダメージを受けていることが多く、疲労しており、結果として免疫力が低下しているから当たり前だ」
このように考える人も多いと思いますが、「身体はひどく疲れているのに、気が張りつめている時にはなぜか風邪をひかない」
と、このような話も良く聞きます。
「自分に重大な責任がかかり、とって代わる人間もいない。期日にも余裕がない」
このような場合、肉体的には無理を重ね、精神的にもストレスを強く受けているはずです。
自己免疫力も低下していると思われるのですが、実際にはふだんの時よりも身体は良く動きます。
ただし、目的を達成した後で、どっと疲れが出て寝こんでしまうこともあります。
このことは、身体の調子が悪いにもかかわらず無理をしていたケースを除けば、「安心したことによって免疫力が低下した」とも言えます。

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