第1章 病気の原因

No09

あらゆる生物は病気をする

このあたりで、なぜ病気というものがあるのか を考えてみましょう。

生物である以上、病気から逃れることはできま せん。

細菌でさえもウイルスに感染します。

ウイルスも酵素や特定のタンパク質の影響で 傷を受けたりします。

生物は病気への対抗上、自己修復力(再生力 )や免疫力を備えています。

一般に自己修復力は下等な生物ほど強く、免 疫力は高等な生物ほど強い傾向にあります。

下等生物が自己修復力に優れているわけは、 下等動物は身体の構造が単純なので、かなり の部分が壊れても元に戻しやすいからです。

それに対し、高等動物は身体の構造が複雑な ので、復元作業に手間取ってしまいます

一方、高等動物は下等動物よりもはるかに優 れた免疫力を持っています。

そのわけは、身体の構造が複雑なので、それ を維持するために身体全体をコントロールす るシステムが必要になり、その一部にさまざま な体内防衛システムを装備することになるか らです。

それに対して、下等生物は変化に対する備え が少なく、わずかな環境の変化で死んでしまう ケースも多くみられます。

最近の免疫学の研究では、人間の免疫力は 予想以上に優れており、完璧に近いほど高い 機能を持っていることがわかってきました。

人間の身体に張り巡らされている複雑な免疫 系は、実にさまざまな事態に対応しており、未 知の新生物や毒物に対しても備えがあります 。

免疫力を含む体内防衛システムが充分に力を 発揮していれば、人間はおいそれとは病気に ならないはずです。

にもかかわらず、実際には病気が多いのはな ぜか?それは、本来持っている体内防衛シス テムをうまく働かなくさせる原因があるからに ほかなりません。

その原因には自分の外側からのものと、自分 の内側からのものとが考えられます。


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