No15

善悪の判断は意識・無意識のすべてで行って いる

善悪の判断は、「意識」が単独で行っているの ではなく、意識と無意識が合わさった「精神」 が行っています。

「精神」に占める割合は「意識」よりも「無意識 」のほうが圧倒的に多く、いくら「意識」が「善」 だと判断しても、「無意識」が「悪」と判断してし まえば、たいがいの場合「無意識」の判断通り になってしまいます。

自分がいくら、「自分のやっていることは正し い」と思いこんでいても、無意識がそれを否定 してしまえば、「悪いこと」になってしまうのです 。

それでは、「無意識」はどのような場合に善悪 を判断するのでしょうか?これは、言い替えれ ば、「無意識はどのような場合『精神』を正常 に保ち、どのような場合病変に追い込むのか ?」という疑問になります。

自分の生命維持活動に都合のよい状態を「善 」と仮定してみましょう。

「善悪の判断システムが異常になる現象」は 最悪の場合「死」にいたります。

この現象は比較的簡単に起こってしまいます 。

電車通勤でキセルを続けるケースを考えてみ ます。

キセル行為は明らかに悪事ですから、最初は 後ろめたさを感じます。

善悪の判断システムが働いて、間違った行動 を中止するよう警告しているのです。

その警告を無視してキセルを実行するために は、意識は判断システムの基準を変更させな ければなりません

「鉄道運賃が高過ぎる」とか、「私以外でも大 勢やっている」とかいう理由を考えて、自己正 当化をはかります。

こうしてキセルを続けていく内に、後ろめたさ が消えていきます。

この段階でこの判断システムは異常になって しまったことになります。

こうなってしまうと、この判断システムがリフォ ームされない限り、肉体に不利益な状態が続 き、免疫力は低下し続けます。

このような現象は、「無意識にもともと欠陥が あったから起こった」と考えるよりも、「無意識 が意図的にこうなるように仕組んでいる」と考 えたほうが理にかなっています。

なぜかというと、無意識にもともと欠陥があっ たのでは自然淘汰の法則に反しているからで す。

よほどの偶然が重ならない限り、重大な欠陥 のある遺伝子が現在まで保存される可能性は ありません。

無意識には自己の生死よりも優先させる判断 基準があると考えたほうがよさそうです。

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