No16

高等動物ほど自己中心的にふるまう

自分の命よりも大切なものとは何でしょうか?

「無意識は種族の保存を最優先に判断する」 と考えてみましょう。

寿命が短い下等動物にはこのような現象が確 認されています。

カマキリの雄が雌に食べられる例や、鮭が川 に上って産卵した後疲労死してしまう例などが これに当てはまります。

哺乳類でもネズミ類の中には、個体が増加し 過ぎると、集団で川に飛び込み自殺してしまう 例などが確認されています。

高等な哺乳類や鳥類の場合はどうでしょうか ?鳥類の場合、親が子孫のために献身的な 努力を払う例は多く知られていますが、そのた めに親が死ぬという話は聞きません。

高等な哺乳類では、優秀な雄がハーレムを作 るケースが多いのですが、ハーレムのボスが 交代した時に、前のボスが雌たちに産ませた 子供を、新しいボスが噛み殺してしまう例が報 告されています。

これは、

「自分の遺伝子を残すための手段である」

と解釈されています。

この例などは先ほどの、

「無意識は種族の保存を最優先に判断する」

という考えに反するように思われます。

しかし、この行為は結局のところ、

「より優秀な遺伝子を後代に伝える結果にな るから、種の保存に取っては好ましい」

とも解釈できます

1般的に、本能によって行動が決定されるよう な動物は、

「あらかじめ種の保存を個体の維持よりも優 先させるようにプログラミングされている」

と判断してよいでしょう。

それに対して、発達した自我意識を持つことが 知られている動物、類人猿・犬・猫・象・イルカ ・インコ・烏などは、おしなべて親・集団からの 学習期間が長く、体験が自分の意志決定に重 要な役割をはたします。

その意志決定も自己中心であることが多いよ うです。

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