No17

意識と無意識の利害が対立した場合病気に なる

これら動物の例から推測して、

「自己行動の中で、先天的なものは『種の保 存』を優先させ、後天的なものは『自己の保存 』を優先させるように機能する」

と考えることができます。

そして、このことは人間にも当てはまるように 思われます。

つまり、

「意識としては自分中心に考えているけれども 、無意識のかなりの部分は『種の保存』を優先 させる力が働いている」

ということです。

動物の場合は「意識」の占める割合が「無意 識」とくらべて低く、この両者が利害不1致で対 立するようなことはあまり起こりませんが、人 間の場合は動物にくらべて「意識」が圧倒的に 高いので、利害不1致によるトラブルは深刻な 問題となります。

自分中心の考えが種の保存と合っている時に は問題はないのですが、対立してしまった場 合、「種を保存させる力」は「自分中心の考え」 を破壊しようとします。

「自分内部が原因の病気」はこのようにして起 こると考えられます。

動物の場合、「自分の内側が原因の病気」は その個体の死を意味ます。

個体が異常発生した時などに、バランスをとる ために個体数を調整する機能をはたします。

人間の「自分の内側が原因の病気」が個体数 調整の目的だけと考えると、死にいたるまで 時間がかかり過ぎるのケースが多いので不合 理です。

他の動物では死を意味する「自分の内側が原 因の病気」も、人間では治ってしまうことのほう が多いようです。

「人間は意志の力によって『種の保存』に不利 益な行動をとると、『自分の内側が原因の病 気』になるが、死にいたるまでには比較的時 間にゆとりがあるので、途中で行動を改めると 治る」

このように整理して考えることができます

それでは、「種の保存」が無意識が最優先す る決定事項なのでしょうか?

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