No20
意識は無意識から発生した
ここで、なぜ「意識」は「無意識」と逆の価値判 断を持つのかという疑問が発生します。
この疑問は「意識」を「無意識」と対立的なもの と考えることによって発生します。
ところが、「意識」と「無意識」との中間点を考 えると、それに当てはまるようなものはありま
せん。
「意識」の起源は「無意識」から発生したもの です。
「もともと『無意識』であったものの一部が変化 して『意識』となった」このことはタンパク質の
海の中から生命が誕生したのに似ています。
海の成分が複雑になり、好条件に恵まれると 、そこから生命が発生するように、「無意識」
が複雑になりさまざまな構造を持つようになる と、その組み合わせの中から「意識」が誕生し
たのです。
「無意識」の海から誕生した「意識」は生命が そうだったように自己増殖をします。
「意識」の内部に、生命の場合の遺伝子に相 当する波動を形成して、自分のコピーを増やし
ていきます。
「意識」はその個体が誕生してから死滅するま で「無意識」を食糧として増殖を繰り返していき
ます。
自己増殖をすることが「意識」の本質なのです 。
次に優先すべき事項は自己を防衛することで しょう。
この自己増殖と自己防衛の機能が、「無意識 」の価値判断と正反対の価値基準を持たせま
す
「意識」「無意識」は同じ材料によって作られて いますから、「意識」にとって「無意識」の海に
呑みこまれることは、すなわち「死」を意味しま す。
「意識」は「無意識」の波動に対抗することに よってだけ、自己存在を確認できます。
「意識」が自分に執着するのは当然の結果で す。
一方的に自己増殖しようとする「意識」に対し て利害関係が対立した時には、「無意識」は容
赦しません。
意識を破壊にかかります。
「意識」が無秩序に増殖し過ぎてしまった時に は、最終手段の「死」をもって対応します。
「無意識」にとって、個体の死など生命全体か ら見れば、痛くもかゆくもないことです。
そもそも、生命全体は食物連鎖によって成り 立っているのです。
1個体の死がむだになるようなことはありませ ん。