No21
生命現象全体の調和を乱すことが悪の本質で ある
人間は経験的に「無意識」に攻撃されるような 状況を「悪」とイメージしてきました。
生命は他の生命を殺すことによって活動を維 持します。
したがって、「殺すこと」は本質的な「悪」では ありません。
「生命現象全体の調和を乱すこと」これが「悪 」の本質であると考えられます。
このように考えると、これと反対の、「生命現 象全体の調和に積極的に協力すること」は、「
善」の本質ということになります。
すると、「生命現象全体の調和に消極的にし か協力しないこと」も「悪」ということになります
。
前者を「大悪」とするならば、後者は「小悪」と いうことになります。
同様に「大善」「小善」が考えられます。
地球上で生命が誕生してから30数億年経過し ているといわれています。
「無意識」はそれと同じくして起源を持つので、 完成度の高い安定した存在といえます。
それに対して「意識」は多めに考えても数億年 の歴史しかありません。
まだ、未完成で不安定な状態です。
「悪」という現象は試行錯誤の状況を指してい るのかもしれません。
人間以外の動物でも充分意識が発達してい れば、「悪」を働くことができます。
「ゴルフ場で、転がってきたゴルフボールをカラ スがくわえて逃げてしまう」という話はよく聞き
ます。
この行動はカラス本来の習性とは考えにくく、 意識による行動であろうと言われています
人間を困らせておもしろがる以外に、カラスに とってメリットのない行動です。
しかし、動物にできる「悪行」といえばこの程度 で、人間でいえば幼児のいたずら程度の内容
でしょう。
これをやったからカラスが病気になって自滅す るとは考えられません。
「悪行」を働いて病気になるというのは人間だ けにみられる現象のようです。