No22

善人や子供が病気にかかる理由

ところが、世の中にはいくら悪事を働いても健 康で長生きな人もいれば、誰が見ても善人とし か思えない人が不幸な病気にかかって死ぬケ ースも多く見られます。

また、善悪の区別のつかない乳幼児が病気で 死亡するのはどのように考えたらよいでしょう か?「この場合の『善悪』とは、人間社会の常 識に合わせた基準なので、無意識の基準とは 違う。

だからこのようなことが起こっても矛盾してい ない」 大人の場合だったならばこのようにつ っぱねることもできますが、子供の場合などは 、善悪の行為以前の段階で死んでしまうので やはり変な感じがします。

ただし、外部が原因の事故や病気にはこれら のことは当てはまりませんから、「乳幼児の死 はすべて外部が原因の事故か病気によるも のである」 と定義してもいいかもしれません。

子供のケースは現段階では検討しにくいので 、再び大人の場合に限って考えてみます。

いくら悪事を働いても病死しない人を調べてみ ると、ある種の共通した特徴があることがわか ります。

悪事を働いても悔いることがないわけですか ら、きわめて自己中心的な人物であることは 確かです。

もし、この人物の知能が低ければ、粗暴で幼 稚な行動しか取れず、犯罪を犯してもすぐに警 察に逮捕されてしまいます。

ところで、刑務所内部の環境は外側とくらべて 健康的かどうかはいちがいに言えませんが、 病死する人が多いとはあまり聞きません。

刑務所に入っている人が前非を悔いていると は限りませんから、やはり先ほどの前提は矛 盾しているような感じがします。

刑務所に入っていなくても、暴力団関係者に 体力の恵まれている人が多いことはご存じの 通りです。

彼らもまた長寿をまっとうする人が多いようで す。

悪事を働いても警察に逮捕されないためには 、そこそこに知能が高くなければなりません

本当に利口な人は悪事など働きませんから、 このような悪人は「小利口者」と呼ばれます。

暴力団の大幹部クラスや企業家・政治家・高 級官僚に多いタイプです。

これらの人たち以外でも、「小利口者」は社会 に大勢います。

彼らに共通している特徴とは、「自分のしてい る反社会的行為に対して倫理的に悩んでいな い」という点です。

他人に対してはきわめて冷酷になれても、身 内に対しては面倒味がよく、愛情も豊かである ケースも多いようです。

自分以外の誰にも愛情を示さない極端な利己 主義者もいますが、そのような人物は所有物 に対して異常な愛着を示します。

所有物に対してさえ愛着を示さなければ、その 人物はもはや悪人ではなく一種の哲人である といえます。

これらのような人物は、自分の健康に対しても 大いに気を使っていますから、一般人よりも健 康で長寿であるケースが多いようです。

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