No25

無意識は低人格者を保護してくれる

人格の高い人と低い人とが社会で競争した場 合、競争原理の立場から考えると、人格の低 い人は高い人にうち負かされて消えてしまうは ずです。

ところが、いつの世にも、さまざまな人格の人 間1定数生活しています。

このことはどのように考えたらよいのでしょう か?囲碁のゲームなどで実力の上位者が下 位者と対戦する時に石を置かせてハンディを つけますが、社会生活でも同様のことが行わ れていると考えられます

この場合のハンディとは「善悪の基準」のこと です。

人格の低い者の中には、政治家や企業の経 営者・高級官僚などがいることはすでに述べ ましたが、彼らは権力や財力を持っているの で、社会的な強者と思われていますが、無意 識の尺度では権力や社会的地位などまったく 問題にしていません。

人格の高低だけが唯一の尺度となるのです。

そして、人格が低ければ無意識は善悪の条件 を緩和する方向で働きます。

彼らがかなり悪どい行為をしても、すぐには結 果が現れません。

「あんな悪い奴、早くくたばってしまえ」と、いく ら大勢の人間から呪われていても80・90歳ま で長寿をまっとうする人がいますが、その人の おこなった悪事は、その人格に照らし合わせ ると許容範囲だったのです。

人格が高い人はこれとまったく逆のことが起こ ります。

はたからは善人としか見えない人が惜しまれ つつ世を去ったりするわけです。

この場合はその人の人格に照らし合わせて許 容範囲以上の悪事を働いたことになります。

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