No26

人格差による不公平な実態をどのように解釈 すればよいか?

以上のような説明をすると、何か割り切れない 感想を持たれる人も多いことでしょう。

「ずるくてわがままな人が得をして、おまけに 長寿まで約束される。

それに対して高潔な人は絶えず若死にの危機 にさらされている。

これではあまりにも不公平ではないか!」とい う内容でしょう。

弱者をいたわるおおらかな気持ちがあれば、 このような反感は持たないでしょうが、それほ ど悟った心境の人は多くありません。

「死後の世界でも存在して、この世で悪徳の限 りを尽くした人はあの世で地獄にでも落ちても らわないと帳尻が合わないのではないか?」  このように考える人もいるかもしれません。

「死んだ後、自分はどうなるのか?」 現在の ところ、この疑問に対する的確な解答を出すこ とは誰もできません。

宗教では死後の世界を肯定する立場の考え が多いようですが、科学は原則的に唯物論の 立場を取ります。

死後の世界があるとするならば、霊の存在も 肯定しなければなりません。

「霊とはどのようなものか?」
「生命とはいかなるものか?」
 この二つの疑問に対して、明確な見解を持 たないで、「精神」を論ずることはできません。

そこで、次の2章では生命の起源について、3 章では精神とはどんなものなのかを考えてみ ることにします。

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