No28
生命の発生確率を考える
数億年の期間というと大変な時間のような気 がしますが、宇宙年齢的には大したことはあり
ません。
碁盤を例に考えてみましょう。
実際の碁盤は19列の線が縦横に引かれてい て(19×19)の交点がありますが、ここではも
っと単純な(8×8)列の盤を考えます。
何も置かれていない8路盤に黒・白の碁石を 交互に置いていきます
(8×8)回置けば、すべての交点に石が埋まり ます。
実際の囲碁のゲーム内容とは違いますが、こ の場合は単純に石を交互に置いていくだけの
ゲームと思ってください。
1手に10秒かかるとします。
すると、終局までにかかる時間は、(8×8×10 )秒。
約10分40秒です。
これだと計算が面倒なので10分ということにし ましょう。
次に、碁盤に石を並べるパターンが何通りあ るか考えてみましょう。
最初に打つ石は8×8通り。
64通りあることが分かります。
次に打つ石は、すでに置いてある石の上には 置けませんから63通り。
その次は62通り。
その次は……と計算していきますと、全部で6 4の階乗個分、約(12.7×10の88乗)あること
がわかります。
全部のパターンを並べるためにはどれくらい の時間が必要でしょうか?1年間を分単位に
換算すると、(60×24×365)分。
約(5×10の5乗)分です。
1年間に碁盤に石を並べられる回数は、約(5 ×10の4乗)回ということになります。
つまり、全部のパターンを並べるため必要な 時間は、年数にして、約(2.54×10の84乗)年
かかるということになります。
生命が発生するのに必要としたといわれてい る時間の中で主流の意見が10億年です。
10の9乗年と表現しても同じです。
100億年で10の10乗、1兆年で10の12乗です。