No34

生命の自力拡散の可能性

次に、「自力で拡散した場合」を考えてみましょう。

地球を例に取ると、原始的生命から三十数億年後 に知的生命体が進化して、文明を持つにいたりまし た。

これを平均的進化速度と仮定します。

超宇宙の中の10の20乗個の惑星で単発的に生命 現象が発生し、その中の10の10乗分の1程度の確 率で文明を持つ生物が現れたとします。

一度生命が現れてしまえば、進化する可能性は比 較的高いものと思われます。

その中で宇宙旅行できるまで発達した文明が「10の 5乗分の1あったとします。

それでも10の5乗個の惑星が残ります。

この星の住民達が他の天体へ植民して行けばよい のです。

現在の地球程度の科学力でも、理論的には50年く らいで別の太陽系に移動することは可能です。

仮に100年で一つの星を植民したと仮定しても、100 0年で2の10乗、1万年で2の100乗、もし文明が千万 年続けば、2の10万乗の星を植民することができま す。

この数字は超宇宙全体の惑星を植民するのに充分 な数です。

この間に技術はさらに進歩して、よりたやすく移動で きるようになっているでしょう。

超宇宙のどこかに地球よりも1000万年早く文明化し た惑星が一つあれば、それだけで宇宙中を生命で 満たすことができるのです。

以上のことから、「自然現象によって生命が移動し た」と考えるよりも、「自力で生命が移動した」と考え るほうが可能性として高いことがわかります。

ただ、残念なことは現在の地球の科学力では、他 の惑星の生命の確認もできず、「この宇宙」の構造 もわからず、「この宇宙」以外の別の宇宙など見当 もつかず、光速を超える移動法など論外といった状 態です。

「なるべく自然現象だけによって説明していく」という のが科学的態度とされていますが、中には人為的 現象と考えたほうが合理的なのに、ことさら理屈を こね回して自然現象としてかたを付けたがる傾向が あります

この生命現象などもその一つです。

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