No38

知的生命体は肉体を捨てる方向で進化する

誕生した生命体が、次第に複雑な形に進化し ていくことは確実ですが、最終的に人間のよう な姿の生物が誕生するかは疑問です。

人間の姿がもっとも合理的に進化した状態と は言いにくいからです。

しかし、進化するに従って、生物の知能は向 上していくでしょうから、文明を持つ生物はあ る程度の確率で現れます。

文明が一定水準に届けば、自分の肉体の一 部を別のもので代替することができるようにな ります。

現在の地球の科学水準でも臓器や器官の一 部を人工のそれと交換することができます。

科学水準がさらに向上すれば、脳以外の器官 はすべて交換できるのではないかと予想でき ます。

それでは、脳は無理なのかというと、実はかな りの部分は交換できます。

小脳は身体の運動機能を調整する器官で、そ の機能はコンピューターの演算で代行できま す。

何らかの事情で小脳が破壊されても、大脳か ら送られてくる電気信号を演算処理して、大脳 に戻したり、神経細胞に電圧を与えたりすれ ば役を足らすことができます

現在の技術では無理でしょうが、理論的には 不可能ではありません。

同様に間脳や延髄は生命維持活動や感覚の 処理機能として重要な器官ですが、比較的オ ートマチックな器官ですので、コンピューターに よる代替ができます。

「しかし、精神の中枢である大脳はコンピュー ターによる代替はできないだろう」このように 考えるかもしれませんが、実は大脳でさえもか なりの部分は代替できるのです。

すでに前章でも説明したように、大脳の機能 の大半は、考えることではなく、身体から寄せ られてくる情報を処理し、的確な命令を与える ことです。

情報処理はコンピューターの得意な分野です から、当然代替できます。

また、記憶の機能もコンピューターが行うこと ができます。

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