No39

知性はどのようにして創造されるか?

現段階では思考中枢というものは発見されて いません。

思考中枢は脳の特定の部分あるのではなく、 脳全体の活動の中から演算過程で発生する ものと考えられます。

大脳内には多くの脳細胞がニューロンを伸ば し複雑な神経回路を構成しています。

今身体がある刺激を受け取り、それを脳に伝 えたとします。

身体から受け取った刺激に反応して演算処理 し、再び身体に送り返すさい、さまざまな神経 回路を通過することになりますが、その時行わ れる回路選択が「思考」と呼ばれているもので す。

それではどのようにしてその選択がなされる のでしょうか?

第1に考えられるのは「自然の選択」です。

例えば、川の流れは複雑な曲線を描いて流れ ていますが、その流れを決定するものは重力 の法則です。

高いところから低いところに流れる。

この原則を忠実に実行することによって川の 流れ方は決まります。

地形の状況がどうであっても、川は低いところ を目ざします。

脳の回路は化学物質のやりとりもありますが 、基本的には電流が作用しています。

稲妻が光る時、その経路は電気抵抗の少な いところを通過するように、脳の回路の中で電 気抵抗の少ないところを選んで、しかも最短距 離で通過するように流れるはずです。

つまり、大脳中の回路構造の中で、1番効率 的に電流が流れる状態が「思考」と呼ばれる ものです。

川の流れは地形によって決定しますが、川自 身の作用によって地形が変わるように、「脳の 回路も刺激を受けるごとに影響を受け、変化 する」このようにも考えられます

一度流れた回路はそのまま保存され、的確な 刺激があれば再びそこに電気が流れます。

これが「記憶」です。

同じような刺激がいく度も起これば、結果とし て隣接して回路がいくつも通り、その記憶は鮮 明になります。

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