No46

幽霊はイメージとしては確実に存在する

ところで、すでに述べたように、幽霊というイメ ージは人類すべてが共通して持っています。

ということは、実体はともかく、イメージとしては 脳内に知覚できる状態で存在していることに なります。

このイメージは情報として経験的に仕入れたと 考えるのが普通ですが、脳内にデータとしてあ らかじめあった可能性もあります。

幼い子供ほどお化けを恐がることは知られて いますが、なぜ子供はお化けを恐がるのでしょ うか?「しつけの一環として、親が子供を罰す るために恐いお化けのイメージを植え付ける からだ」というような意見もありますが、そのよ うなおどしをしない親も多いはずです。

にもかかわらず、子供たちは例外無しにお化 けを恐がります

これは、「お化けは恐いというデータが子供の 記憶の中に生まれた時からあったから」と考 えることができます。

「未知のものに対する恐怖心は自己防衛本能 の一つで、子供は表現がへたなので、それを『 お化け』と思ってしてしまうからだ」 という答え も考えられますが、子供は未知のものすべて に恐怖を感じることはありません。

それに対象となる未知のものは、子供によっ てまちまちのはずです。

ところが、子供がお化けと感じるものには共通 の要素が多くあります。

それには地域・民族の差を超えた共通性がう かがえます。

「闇の中から突然現れ、自分に危害を加える もの」

これがお化けの共通したイメージですが、これ は人間の無意識の中に先天的に刻み込まれ たイメージと考えられます。

同じことが霊にも言えます。

「死んだ人間は、死んだ後でも自分に対して影 響力を持っている」

これも無意識の中に先天的に刻みこまれてい るイメージです。

いくら頭の中で合理性を発揮して、唯物論的 に思考しても、無意識の底からこのようなイメ ージがわき上がってくるのです。

その衝動は理性では抑えにくく、結果的には 合理性を重んじる人ほど自己矛盾に満ちた行 動を取る結果になってしまいます。

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