No48

輪廻転生は実際にありえるのか?

「輪廻転生」という思想があります。

インド哲学に由来するものですが、世界的にこ のような考え方があります。

「人間は死ぬと魂が肉体を離れて別の時空間 に移動する。

そして、一定の条件のもとで、再びこの世に戻 ってくる。

そのさいには別の肉体に宿る。

以上のことを何度も繰り返す」というものです。

理論的には別の生物に生まれ変わってもよい ことになっていますが、そのような話はあまり 聞きません。

なぜ生まれ変わったことが証明されるのか? それは、本人が報告するからです。

たいがいの場合は5歳以下の子供で、その子 がある日突然、「実は私は前世が誰それで、 別の場所で生まれた者だ」と宣言します。

幼い子供がこのような大人びたことを言うので 、親は驚いて、子供が告げた住所を尋ねます 。

すると、確かにそれに該当する人物が昔実在 していて、しかも子供が生まれる数年前に不 慮の死をとげている。

なぜか大往生の場合はあまり生まれ変わらな いことになっています

このような報告は世界中にありますが、やはり 、輪廻転生の本場インドで圧倒的に多く報告さ れています。

インドという場所が特別生まれ変わりやすい 条件にある理由としては、他の地域では1笑に 付してしまうような内容でも、親が真剣に調べ てくれる文化的な土壌があるからだと解釈で きますが、またこの報告自体に信頼性が欠け る条件もあります。

その理由として、生まれ変わった子供が貧困 な家庭であるケースが多く、子供が報告した 前世の家族が金持ちであるケースが多いこと が挙げられます。

両者の位置関係も比較的近いケースが多い ようです。

そして、両家の間で生まれ変わりが確認され た後は、その子は前世の家族に養子にもらわ れたり、家族ぐるみの交際が行われたりして います。

そのさいに金銭のやりとりが行われることは 言うまでもありません。

悪い見方をすれば、一種のビジネスではない かと疑われるような内容です。

親が金持ちの家で非業の死をとげた子供がい ないかを調査をして、調べた子供の特徴をわ が子に教え込む。

このようなことをしている可能性は否定できま せん。

金持ちの家の子供で、「前世が貧乏人であっ た」という例はあまり報告されていません。
仏教的な解釈をすれば、「前世が金持ちだっ たので、そのカルマ(業)でこの世では貧乏に 生まれたのだ」ともいえますが、多くは子供の 内に死んでいることになっており、カルマを積 むほどの人生を送っていたのかは疑問です。

金持ちの家でそのような報告が少ないのは、「 親が外聞を気にして握りつぶしているからだ」 とも解釈できます。

インドに次いで報告例の多いのはアメリカです 。

アメリカの場合は中年の女性に報告例が多い のが特徴です。

子供の場合、何らかの事情で前世の記憶を持 ったまま生まれ、幼年期にはかろうじてその記 憶が保たれているという解釈ができますが、中 年女性の場合は、当然のことながら普通の条 件では前世の記憶を完全に消えています。

それが復活するのは催眠術のおかげです。

逆行催眠というテクニックがあり、被験者を深 い催眠状態にし、過去の記憶を呼び戻させて いきます。

このような状態にすると、無意識の中に埋もれ ていた記憶の回路が開き、自由に記憶を呼び 戻すことができるようになります

これは客観的に証明されている事実であり、 このことは、「平常の人間の脳には記憶を埋も れさせるシステムがあり、意識が自由に記憶 を出し入れすることを、妨害している」というこ とを示しています。

記憶を意志によって管理できれば素晴らしい ことのように思われますが、その能力を持た せながら妨害するシステムがあるということは 、生態系全体の調和という観点からみると、個 人の能力を発現するよりも優先すべき事柄が あるのでしょう。

しかし、催眠術をかけることによって、この妨 害システムは1部が取り払われて、過去を思い 出すようになります。

そして、被験者に生まれる以前の過去を思い 出させたらどうなるか?すると、被験者の中に は、前世を思い出してしゃべり出す人が現れま す。

その内容は、インドの場合と異なり、外国でし かも数100年前の前世であったりします。

被験者が女性であることを反映してか、前世も 女性である場合が多いようです。

この場合、場所や時間が大きく隔たっている ために事実関係を照合することは困難をきわ めます。

ましてや、「数千年前のアトランティスやムー大 陸の住人である」 などと主張されると、調査 は不可能です。

このような主張自体疑惑をまねきますが、さら に不審な点は、過去世で自分が有名人の知り 合いになっているケースが多いことです。

生まれ変わりがアトランダムに起こるとしたら 、有名人に出会う人の確率が不自然に多いこ とになります。

果たして催眠状態になっている人がわざとウ ソを言うことができるでしょうか?訓練された 秘密諜報員のような職業の人ならあり得るか もしれませんが、この場合の被験者の多くは、 神経症に悩まされているためにその治療を目 的に催眠術の被験に同意した女性です。

年齢も中年であることが多く、金銭的にも恵ま れており、今さら世間の注目を集めたいという 野心を持っているとは思えないような人ばかり です。

嘘をつく必要性はまったくありません。

情報源としてはインドの場合よりも信頼性はあ りますが、全面的な信用もできない点がありま す。

後天的に仕入れた知識の内で無意識の中に 埋没していた部分が、「前世を思い出せ」とい う無理な命令をこなすために、その場しのぎの 対応したのではないかとも考えられます

命令を受け入れないと精神に傷が生じ、しか も手持ちに命令を満足させるものがないとす ると、いい加減に作るしかありません。

このようにして、無意識が創作したのではない かとも考えられます。

チベットなどでも生まれ変わりの報告がされて いますが、チベットやブータンなどのラマ教の 盛んな土地では、僧侶が強大な権力を持って おり、「生まれ変わり」は、しばしば政争の道具 として使われます。

しかし、わずかですが過去世と照合できた事 例もあります。

インドでも「生まれ変わり」としか言いようのな いほど見事に整合性のある事例も報告されて います。

全体としては利害関係がからみ過ぎていて信 頼性に欠ける事例が多い中で、客観的事実と しか思われないものもあるようです。
注: 文字用の領域がありません!

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