No49

臨死体験を検討する

霊の存在を検討する上でもう一つ見逃せない のが、「死後の世界」です。

これは、「臨死体験」という形で多くの報告が なされています。

特にアメリカではこの研究が進んでいて、そう とう数の臨床データが集められています。

日本でも少しブームになりかけましたが、もと もと仏教思想の根強い日本では、言っている ことがあたりまえ過ぎたのか、すぐに無視され てしまいました。

臨死体験のあらましは次のようなものです。

被験者が不慮の事故にあい、心臓が停止して しまった。

医師が必死の治療をした結果、数分後再び心 臓が活動を開始し生命を取りとめた。

被験者の意識が完全に戻った状態の時、心 臓停止時の記憶をたずねたところ、「自分の魂 は肉体を離れ、銀色の気体によってかろうじて つながっていた。

意識は空中にただよい、治療を受けている自 分の肉体を確認した。

その内、目の前に黒い渦巻状のものが出現し 、ごう音とともにその中に吸いこまれた。

恐怖に包まれていると、渦巻の中央に光の点 が現れ、優しく自分を包みこんだ。

心の中は安らぎに包まれた。

生まれてから今日にいたるまでの記憶がよみ がえり、なぜか罪悪感に包まれた。

『自分はこの人生でもっとやるべきことがあっ たのではないか?』こう思うと、悲しい気分に なった。

やがて大きな川が流れている場所にやって来 て、遠くに巨大な山脈が見えた。

知らず知らずの内に川を渡っていくと、対岸が 見えてきて、なつかしい人々が自分を出迎えて いた

対岸は美しい花園だった。

自分はかつてここにいた記憶がよみがえって きた。

心は再び安らぎに包まれた。

しかし、ここで出迎えてくれた人の一人で、生 前自分と1番親しかった人が、悲しげな表情で 、『おまえはまだここに来るべき時ではない。

まだやり残した仕事があるはずだ』と自分をさ とした。

『そうだ、自分はまだやることがあったのだ』こ の美しい世界に未練はあったものの、使命感 を思い出し苦悩した。

次の瞬間何が何だか分からなくなり、気がつく と病院のベッドに寝かされていた」

以上が臨死体験の典型的な事例です。

例外的に、地獄を想像するような場所に連れ て行かれたと報告された事例もあります。

この場合は自殺未遂者が多いと報告されてい ますが、確証はありません。

「酸欠状態におちいった時、脳内に苦痛をや わらげる化学物質が合成られ、その作用でこ のような幻想を見るのである」 このような見 解を述べる科学者もいますが、確かに内容は 夢物語のようであり「幻想」と呼べるものなの かもしれません。

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