「ヴィマラキールティスートラ」梗概
インドのヴァイシャリー市に住む大富豪ヴィマラキールティは篤志家として人々の尊敬を得ていた。それと同時に論客としても知られ、名立たる思想家や行者も彼の前を避けて通るほどだった。
ヴィマラキールティは新興宗教家のゴータマ師に師事していたが、最近になって病気になってしまった。
彼の病状を心配したゴータマ師は弟子達に見舞いに行くように命じた。
だが、彼との論戦に破れ恥をかかされた弟子達はことごとく断った。
そこでゴータマ師は次に配下の高級霊達に見舞いを命じた。 だが、彼らも尻込みしてしまった。
しかし、最終的にマンジュシェリーが承諾し、弟子達や高級霊達は二人の論戦を見ようと、ヴィマラキールティ宅に押しかけた。
ヴィマラキールティ宅を訪れたマンジュシェリーは早速論戦を仕掛けた。議論は白熱しなかなか決着を見ない。
大勢に囲まれ劣勢を余儀なくされたヴィマラキールティは宇宙センターのインストラクターをしている若い娘に応援を求めた。
女と侮った高弟のシャーリプトラは娘にやりこめられてしまう。
さらにヴィマラキールティは遠くの惑星から取り寄せた珍味の食事を振る舞い、見舞い客達の意表をついた。
その惑星から多くの高級霊が来訪したので、ヴィマラキールティは彼らをゴータマ師に紹介するために、ゴータマ師のいる道場に案内した。
ゴータマ師はその場にいた全員にヴィマラキールティの前世を教え、彼に彼の母惑星を紹介するように命じた。
そこで彼は、母惑星のある銀河の主要部分を切り取り、こちらの銀河に運ぶという荒業を見せた。
彼の行動は銀河の治安を担当しているインドラから批判されたが、ゴータマ師が直々にそれは誤解であると説明した。
大乗仏典「維摩経」の記述内容に見られる哲学・宇宙観を現代の最新科学知識に基づいて再構築を試みた作品である。
|